あひるの仔に天使の羽根を



――ボクノタメダケニナケ


僅かに漏れた芹霞の……甘い声に僕は意識を失いかける。


――アマクアマク…モットヨガレ


突き抜ける欲望。


――ボクニオボレロ


粘着音から与えられる刺激が、僕を――


――タマラナイ


いけない!!!


恍惚感なんて感じてはいけない。


――モットモット


早く、ねえ芹霞。


嫌でしょう?

僕にこうされるの嫌でしょう?


――キモチヨクナリタイ


ここで終わりにさせて。

ここで僕を止めて。


――ガマンシタクナイ


これ以上、僕を嫌いにならないで。



だけど芹霞は、櫂の名前を呼ばない。


だから僕は――


――サイゴマデイキタイ


片手で着ているシャツを脱いだ。


熱で火照る身体が、空気に晒される。


その様に、芹霞の目が恐怖に見開いて。


暴れる手足を僕は簡単に制して、覆い被さる。