煌と芹霞は似ている処がある。


それは長年、同じ屋根の下に暮らしてきたからなのか。


神崎家の実質的な権力者は芹霞だ。


煌は芹霞が育て上げたようなもの。


知らぬ間に相似するのは仕方が無いことか。


時々――

それが羨ましくなる。


一番長い付き合いは俺なのに。


一番深い絆があるのは俺なのに。



煌が相手なら、芹霞は自然体のような気がして。


俺には見せない、素の芹霞がいる気がして。


世間一般的な、年相応の付き合いというものが、2人の間にはある。


それは凄く羨ましく――


酷く妬ける。



「……ところで、此処は何処?」


芹霞が聞いた。