「お前――

"せり"って呼ぶの赦されてる?」


どくん。



「ありえないよね、せりだって判っている。

それがお前の限界。

そろそろ現実を見なよ、紫堂櫂」


どくん。


「泣いて縋ってそれでも駄目なら、いい加減身の振り方考えた方がいいんじゃない?

それとも――

玩具を欲しがって駄々をこねる子供(ガキ)でいたいの?

みっともないよね」


――芹霞ちゃああん。


見ていたのか、こいつは。



「望みなんかないんだよ、お前」



消える久遠。



俺はただ立ち尽くして。



あいつは何を知っている?



"代わり"。



旭も言っていたそれは、何なんだ?



芹霞。



お前、あいつらと何の関係があるんだ?



なあ――


芹霞……


――芹霞ちゃあああん!



不安で胸が潰されそうだ。



芹霞……


早く帰ってこい。


そして――


早く俺のものになれよ。


俺は諦めない。



なあ…?