俺は、昨日の宴に食った肉の塊を思い出す。
何の感慨もなく、俺が平然と食った……
あんな肉になると?
誰…が――?
――お姉さんのようにさ
芹霞……?
芹霞は今……?
「お前――…」
俺は何で先刻、嫌な予感に身を竦めた?
「芹霞に何をした!!?」
俺は。
気づけば子供に向かって駆けていて。
今まで警戒していた間合いを一気に踏み越えて。
衝動的に胸倉掴みかかろうとした寸前、子供は静かに目を細めて、ひんやりとした冷たい手で俺の左手に触れると、凄まじい速さで反対側に捻りあげた。
「うわあ!?」
俺は自ずと傷を負った腕に負荷がかからねえように、捻られた腕の回転に合わせて身体の抵抗を宙に逃がして態勢を立て直そうとしたが、それさえ出来ねえ程の僅かな時間で、負傷した左腕を小さくも鋭い手刀で的確に叩かれれば、全身にずくんと響く重く激しい痛みに、俺は反射的に腕を庇い呻いて蹲る。
「黄色にもなれない橙色が、崇高な白色に歯向かうんじゃないよ」
それは。
どこまでも酷薄な物言いで。
同時に向けられた、侮蔑にも似た殺気。
「たかが――制裁者(アリス)如きが」

