あひるの仔に天使の羽根を

 


「お姉さんは罪を犯したからね、

陽斗と一緒に"供物"になって貰ってるよ?」



くすくす。



子供らしい笑みが零れた。



「……供物?」



声が自然と震えるのが判る。



しかも……陽斗が今どうなってるのか判っているのか?



嫌な――予感がする。




「供物ってどんな意味だよ?」



思わず――聞いてしまう。



「ん、"生き神様"の"食べ物"だよ?」



平然と、当然というように軽く返る回答。



「"生き神様"も、ずっと男の堅い肉ばかりしか口にしていなかったから、女性の柔らかいお肉にありつけて、きっと喜んでいると思うよ」


その笑いは、悪魔のように残忍で。



ぞわり、と全身総毛だった。



"生き神様"


この子供の話が真実なら、胡散臭い処の話じゃねえ。



食う――?



食うって何だ?


肉って何だ?