あひるの仔に天使の羽根を

 


「――くッ!!!」




僕は何とか次の一手を躱して、その鎌を持つ手を捻ろうとした。



しかし――



「きゃはははは。


手? 手からならいいの?」



驚く程の速度でその手は反対に切りつけられる。



だから僕は、その手から外気功を放った。



「きゃははははは」



それはまるで戯れとでもいうように。



ひらりと宙を舞ったその跳躍力は、僕の身長を遙かに超えていて。



上空に向けた外気功も全て躱されて。



まるで空を飛んでいるかのようにひらりひらりと。



そんな時に――



「う!!?


……発作!!?」



乱れる呼吸。


苦しい心臓。



立て続けの外気功が、身体にかなりの負荷を加え。



鎮めたはずの心臓が不規則に早く鳴り狂い始めて。



僕は大きく呻いて前屈みに倒れ込んだ。