あひるの仔に天使の羽根を

 


「師匠が身体張ったんだ。飲まないなんて言わせないよ!?」


遠坂が言い切り、今度は桜からそれを奪い取って、更に俺に近づけた。


「これ飲めば、いつも通り…以上のピンピンだッ!!!」


――たぷん。


「馬鹿な頭もよくなる……」


――たぷん。


「じゃあお前、毒味してみろよ」


俺は冷たい眼をして、遠坂に言った。


「本当に大丈夫だと思うなら、一舐めしてみろよ、今此処で」


「…う、……うううっ。

ボ、ボクは大丈夫なんてひと言も……」


「余計性質悪いわッ!!!」


俺は顔を横に背けた。


「幾ら玲が身体張っても、明らかに胡散臭い液体を体内に入れるような馬鹿じゃねえよッ!!!」


だってそうだろう?


見るからに。


誰もが引く程怪しい緑色の液体が、


本当に俺に効くのかなんて誰もが半信半疑だ。


信じられるものは、"玲が身体を張った"だけで。


それがなければ、こんなもの危険物だ。


如何に俺の身体が特殊で、毒物に耐性があろうとも、好き好んで危険物を体内に取り入れる間抜けじゃねえ。


俺は、正当な主張をしている。


俺の心配してくれるのは有り難いけれど、俺の身体思うなら、それをひっこめて欲しい。



「……玲様にも、櫂様にも…

たてつく気か、おいコラッ!!?」



やべえ。


桜がキレた。