あひるの仔に天使の羽根を


俺はずっとお前の傍に居る。


居たい。


居させて欲しい。


独占させて欲しい。


俺だけのものと言わせて欲しい。


芹霞が欲しくて仕方が無い。



「芹霞……お前を俺にくれよ……」



俺はもう、限界だ。



立てるようになったら。


身体が回復したら。


真っ先に芹霞に告げよう。


"今"が例え駄目だったとしても、


未来に可能性が残されているのなら。


その未来の為に、今を変えたい。


変えなければ、何も始まらない。


想っているだけでは、芹霞は獲られる。


俺には櫂達に勝るものがないから。


せめて、想いだけでは負けぬように。


遊びじゃねえ。


本気だと言うことを、伝えたい。



「だけど、本人もいねえしな」



時計がないこの部屋では、時間経過がよく判らない。


しかも眠りを誘うこの色、この人形。


遅すぎやしないか。