あひるの仔に天使の羽根を

 

俺、相当芹霞に参ってる。


芹霞の一挙一動が、気になって。


その視線を一身に浴びたくて。


可愛くて、愛しくて溜まらない。


いつでも何処でも芹霞を欲しちまう。


身も心も俺のものにしたくて溜まらなくて。


このままなら本当に、本能のままに動く犬になりそうだ。


俺ここまで女に執着する奴じゃなかったのに。



夢にまで出てきた。


最初は芹霞を抱きしめてただけだったのに、途中からなんかこう…もっと密に肌と肌を合わせたくなったというか、もっと柔らかい肌の感触が直に欲しくなったというか……簡単に言えば欲情した。


やけに生々しい夢だったのは覚えている。


足が、芹霞の太股の感触覚えてるなんて奇妙だけれど、こんなの現実世界ではありえないことだし。


夢の中でさえ、また変態と叫ばれちまったけどよ。


次に見た夢が芹霞と花畑でいちゃつく夢で。


桜に起こされちまったけど。


夢の中なら、俺は芹霞を独占出来るんだ。


芹霞は真っ直ぐ俺だけを見ていてくれるから。


それだけで凄く安心できる。


だから俺もヘタレ返上で、どんな言葉でも言えちまう。


言えるんだ、自分の心を…想いを素直に。



ああ――


現実にしてえよ。



芹霞を俺だけのものにして、離したくねえ。