あひるの仔に天使の羽根を

 


すると突然樒は笑い出した。


「それは良いわね!! それはそれは盛大な儀式と、立派な祭になるでしょう」


賞賛の言葉とは裏腹に、明らかに蔑んだ響き滲ませて。


祭――。


確か旭も言っていたか。


――そのいきがみさまをたたえるお祭りが、近く行われます。


"生き神様"と、"聖痕(スティグマ)の巫子"。


俺を選ぶ?


何のことだ?



そんな時、俺は。



周囲から好奇な眼差しを向けられていることに気づいた。



6組の招待客。


ペアでの出席らしく12人。


12人の2つの目が、俺を見て歪んだ笑いを作っている。


皆一同にして、仮面のような同じ表情。



それは――蔑み。



昨日は俺にハイエナのように纏わりついてきた者達が、樒の前では高い壇上から俺を侮蔑する。


確かに俺は――

昨日とは違って、何かの線を引かれていた。


俺は一夜にして、昨夜の高みから堕とされたんだ。



そして――


哀れみ。