――咎人の行く末をね。


同時に聞こえた部屋からの物音。


確かに中では何かが起っている。


馬鹿蜜柑は蒼白の顔で部屋に飛び込む。


追いかけようとした私の腕を掴んだのは、


「ねえ、桜くん」


胡散臭い、暗紫色の瞳をもつあの男で。


笑いを湛えたようなそのアーモンド型の目に、

私を覆すような威圧感を感じて思わず身構える。


「warm a snake in one's bosom」


突然流暢な英語が流れる。


「"飼い犬に手をかまれる"…諺です」


男は嘲るように笑った。


「直訳すれば、

"胸の中で暖めてた蛇"。


ふふふふふ。

蛇となり果てた禁忌な存在は――

断罪の対象に値するとは思いませんか?」



――咎人の行く末をね。



私は目を見開いた。




「咎人とは――


煌のことかッ!!?」