どんな面倒なことでも、己の利となれば率先して動く人物。
思い浮かぶ色彩は――青。
白皇の顔からは、次第に血の気は失せて。
その色に侵蝕される。
白皇をそこまで動揺させられるのは、緋狭さん以外に――
「あはははは~ 残念だったね、シロ」
氷皇しか居ないだろう。
緋狭さんと揃いの形状の青い外套を身に纏い。
やはり襟に留めてあるのは、五皇の証。
何処までも冷酷な青。
緋狭さんと肩を並べる強さを誇る非情と名高い青い男は、己が力を周囲にただ"見せつけたい"為だけに、骸を積み上げる。
「先刻の塔が揺れた衝撃は、お前のせいかよ」
ふて腐れたように煌が呟けば。
「あれ、判っちゃった? 静かにひっそりと影の行動してたのにな、おかしいな。あははははは~」
絶対。
必然の行動であったのには間違いなく。
それに気づき得なかった白皇は、そこまで何に興奮していたのか。

