「ま、魔法が駄目なら…」


まだ奥の手があると言わんばかりに、戦慄く白皇に、


「ああ、この部屋の外で待機していた奴らのことか? それともこの上下のフロアに待機していた、機関銃を持った戦闘部隊のことか?」


「な!!!」


それは既に見越していると、緋狭さんが笑って遮る。


「生憎それは私の担当では…ああ、来たか」



同時に――

部屋に乱暴に投げ込まれるのは、人型を損なった…各務の給仕達。


律動的(リズミカル)な間隔で、次々に放り込まれる。


まるで屍に喰われたかのような、目を背けたくなる凄惨な損傷だが、明らかに生きた人間による効果的な"破壊"には違いなく。


感情的に…嬲られたような、残虐な痕跡が窺える。


彼らに"生者"として意識があったならば、間違いなく非道な拷問だ。


給仕以外にも神父達、女達。

男も女も…老いも若きも関係なく。

階級も美醜も無関係に。


骸になれば皆同じだと…そんな主張すら感じ取れて。


そして更には。

どんな者にも情は動かないと…せせら笑われている気もする。


人、人、人。


次々と部屋に放り込まれて、山に積まれていく。


言葉を出さないながらも、此の場の誰もが判っているだろう。


判っていないのは…状況が飲み込めぬ参加者達。


愚かな連中は、逃げ出す機会さえも掴めない。


蝋人形のように固まったまま。


まあ…逃げだそうとした処で、それは叶うまいが。