誰もが、真剣な顔つきをして。


だから俺は――


「お前等を守ることが…俺の任だと思わないか?」


「思わねえ」

「煌に同意」

「玲様に…同意」


初めて、正気の俺に逆らった…俺の友に。


「減給、決定」



息を飲む音が聞こえた。


その時。


激しい衝撃音が響いてきて。


「!!?」


強靱な塔が、微かに揺れた気がした。


だけどそれはその1回だけで。


「外の屍が荒れ狂っているようですね。それとも早くと急かしているのでしょうか。久遠様の肉が食べたいと。

ああ、大丈夫です、久遠様。貴方様に万が一があったとしても、きちんとその骸は外の者に与えますので。貴方は"巫子"として生涯を全うして頂けますよ」


藻掻く芹霞。


それを抑える、血走った眼差し。


そしていつでも発動できる状態の魔方陣。


後方からは愉快そうな参加者の笑い声。


だから俺は――



「目先の利益にばかり目を向けるからこうなる。

目に映るものが本当に"俺達"全てだとでも思っているのか」



笑った。