白皇は鼻でせせら笑う。


「随分と自信おありで。まあ確かにこの老体、紅皇の愛弟子たる皆様の相手には不足かもしれませぬ。

ではこうしましょう。私の出番は後半で。今は此処で芹霞さんと皆様を傍観しております。まず皆様は、瑞々しい若者の力をご堪能下さい」


「は!?」


煌の声と同時に、白皇がパチンと指を鳴らせば。


ぞろぞろと部屋に雪崩れ込んで来たのは、紫色の神父服。


参加者と芹霞を抱く白皇を後方に庇うように、ずらりと壁のように並んだ彼らに、


「随分と甘い処置だね。何度も差し向けられて、都度撃退してきた僕達に、今更それはないんじゃない?」


揶揄するような玲の声。


「玲様…彼らは、今までのような武闘派ではないようです」


桜が固い声を出して。


男達は一斉に手のひらを俺達に向け、色取り取りの魔方陣を描いた。


「魔法力が大きい者達を集めてみました。この狭い中、こちらは"魔法"で皆様の"武力"に対抗させて頂きます」


宙に描かれた個々の魔方陣の大きさは、過去最大で。

こんな狭い場所で一斉砲弾されれば――


「櫂、お前は後ろに下がってろ」


煌が俺の腕を掴んで、後方にひっぱれば、


「万が一の為にね」


玲が微笑んで、俺の前に立つ。


そして更に、


「櫂様。お守りするのが任なればこそ」


桜が大きな目を動かして。