チビ陽斗は大笑いしていて。
「GAME OVERかな。ご愁傷様、愚鈍な狂犬」
上げられた片手に、赤い色の魔方陣。
「ふふふ。こんな狭い場所で炎の魔法を使ったら、このフロアにいる人達皆燃えちゃうかもね」
――カラーン。
俺は!!!
こんな処で!!!
チビ陽斗の手から、赤い…炎の龍が現れて。
「ばいばい、狂犬くん。榊さん」
口を大きく開けた龍が吼えるように轟音をたて、灼熱の火の粉を撒き散らして向かってくる。
その威力は固唾を呑むほど凄まじいもので。
「!!!」
何とか――
命からがら…必死の思いでよけきれた。
龍は周囲の壁を燃やし尽くし、更に奥にと炎の勢力を伸ばして。
熱い。
灼熱地獄だ。
「ふうん、じゃあ次はどうかな?」
俺とは正反対で余裕のチビ陽斗。
宙にまた赤い魔方陣。
その大きさは、先程の比ではない。
もっと――大きく凄いのを作る気だ。

