……―まったく。



撫子には本当、驚かされるというか、かなわないというか。






だってあたしたちもう高校3年よ?




なのにまだ初恋の相手を待ち続けてるって。




どんだけ純粋なのよ。






せっかく可愛い容姿持ってるんだし、他の男だって言い寄って止まないんだからあんなバカ藤矢のことなんて忘れちゃえばいいのに。







ま、そんなこと言ったらあたしが撫子にカンカンに怒られるだけなんだけどさ。










しっかし今思うとあたしたちと撫子が出逢って、藤矢と撫子が惹かれ合うっていうこの物語は言わばこれから始まるきっかけにすぎなかったってことなのよね。





世界は広いように見えて結構狭いのね。







というわけで。



すべての始まりというか、きっかけとなったのがあたしたちの出逢い。






本番はここから。











あれからまたもや時が過ぎて、念願だったCDデビューも高2の冬に果たし(インディーズだけどね)、デビューシングルセカンドシングルとも好調で、次のサードシングルも翌月と迫った高校生3年の春、4月13日。









物語はここから始まる――。