「よかったじゃん撫子。守風いなくてもあれだけ盛り上がったし」
ライブを終えて私と藤矢くんは帰路につく。
「そ、そうかな」
確かに一昨日と同じくらいの盛り上がりはあったと思うけど…。
でもやっぱり物足りないよ。
守風ちゃんがいなきゃ。
そりゃ最初は私一人で始めたことだし、それに守風ちゃんや藤矢くんを巻き込んでしまった感じだけど。
でも、守風ちゃんが一緒に歌ってくれるなら。
歌い続けてくれるなら。
私は守風ちゃんと一緒に歌いたい。
歌手になりたい。
…私の一方的な想いだけど。
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