ぐるりと振り返れば、悲しい顔した…あの女がいた。


やっぱり、手には本を持っていた。


何て話しかけよう…。

まるで、中学生みたいな俺。


あ…ていうか、あっちは俺のこと、覚えて…ないか?



どうする!


話しかけたい。
でも、覚えてなかったら?



頭の中がゴチャゴチャしてきた。



「あっ。この前はどうも!」



…俺?

俺に言ってんの?



「?」



「あ…いや、そんなたいしたことじゃ…ないし」



「いえいえ!あ、そうだ。よかったら…」



「俺とデート…しない?」



「へ?」



…はっ!
俺、ナンパしてるのか!?

馬鹿か、俺っ!


何考えてんだ、俺ーっ!!