『慶』


美月の声がした。


『慶』


またか?
まさか、また夢の中に入ってきたんじゃ…。


「お参りに行くんじゃなかったの?」



「マジか」



目の前で、嬉しそうに微笑みながら見つめてくる美月がいた。



「早く起きて、行っといで」



「お前…」



「何故いるんだ?って聞きたい?馬鹿息子の顔を見に来ただけさ」



俺の頭を撫でて、出ていった。

…もう朝か。

起き上がって支度をして、リビングに向かった。


中に入ると、まだ変なのが残っていた。


コタツに入ってる組長と紀一と美月の正面に、阿波とゴリ男と医者がいる!



「何で帰らねぇんだよ」



いつまで、ここにいるんだよ。

この馬鹿共。