健人は今任されている子会社を大きくすればと言ったが、クーは翔達によって監視されている。今まで維持させてきただけなのをいきなり大きくしてしまえば、本社の意向と合わないし、何より不信がられてしまう……

 しかし自分には設立は無理で、健人の名を使えばバレてしまう……

誰か、クーにつながらない名前を持つ大人が必要なのだ。
 そんなクーを知った健人は言う

「妻に頼みましょう」

また…自分は人を巻き込んでしまう。でもなかったら自分は―――――

「ごめん。いつか謝りに行く」
「行ったらバレてしまいますから。あと謝る必要はありません」

健人の優しさに涙が出そうになった。

健人の妻美和子(みわこ)の名とその旧姓を使い。会社設立された。
 その中で、名が世に知れてきたクーは危険なので新たな名をつける事にした。
クーは迷わずに、

「波瑠…ハルにする」

それを聞いてハッとした健人。でもクーはそれを見て首を振る。

「それもあるけど、それだけじゃないよ。私は――――で―――だったから」

それはその場にいた彼らを驚かすには十分だった。

普通は信じられないであろうその言葉もクーだから信じれたのかもしれない。
 異能な力をもつ少女に。もっとも、怜斗達は今知ったのだが。気づいていたように何も言わなかった。

「私―――――なんだよ」

それから“クー”は“ハル”になって、会社は軌道にのり始めた。