それからクーの生活は一変した。

白い部屋に大きな窓。部屋にある家具は机とベットだけ。
 毎日のようにさせられる勉強。
窓からは脱出を拒むように、遠い地面が見える。
鍵はなく、防弾ガラスで、たった3歳の、物心ついたばかりのクーには壊せず、自殺と言う考えもなかった。

ただただ、言うことを聞く毎日。ハルが自分の身代わりに死んだこと、子供の殺し合いを見たショックか、クーは笑うことはしなくなった。


クーの能力はピカイチで、たった半年で義務教育分の勉強を終え、1年で大検が取れるほどの過程を終えた。

 特に理数に強く、医療系に特化していた。

「クー……」

そんなクーをただ一人心配な面持ちで見ている人がいた。

クーを迎えに来た“お父さん”だった

彼は今、クーの執事として配属されていた。

名前をつける必要がないクーに名前をつけたのも彼で、誰一人注がない愛情をクーに注いでいた。

配属された当初は何も言わずただ見ただけだったが、今は彼だけに感情を見せるようになった。

彼の名は高杉健人(たかすぎ けんと)。のちに彼の息子と出会うこととなる。