「何で私の名前を知っているの?!」

私は怖くて、身をひいた。
 彼は、一緒にいた側近? と同じ顔をして、私に手を伸ばしてきた。

「触らないで!!」

どうしてだか、触られるのは怖かった。

「クー・・・」

それでも私に手を伸ばしてくる。

「いや!!」

助けて!!と思ったとき、声がかかった。

「殿下、申し訳ありませんが、姫が怖がっておりますので、手をお引きください」
「健人!!」「ケイ・・・か?」

私はうれしくて健人に抱きついた。
 怖かったのもあるが、見知らぬ地で一人っていうのもあったから、擦り寄ってしまった。


 その場の全員が固まったのはいうまでもない。


「ハ・・・いっ!?」

後からかけつけたいつもの5人も停止した。
 健人はもうどうすればいいのか分からなかった。前の目線と後ろが・・・

「クー・・・ あ、あのそろそろ放して頂けませんか?」