「あ、あぁ」

校長は美羅にビビッたのか、それ以上何も言わなかった。
 一方、自分はそんな事になるとは思わなかったらしい立花が美羅に向かう。

「桐生美羅!!」
「なに?」

激昂してしまった立花に対して、美羅は冷静に答える。

 始まった…………

悪い癖だ。立ち直れるといいね。立花さん。次の学校で。

「何の権利があって、私を退学にするの?!」
「じゃぁ君は何の権利があって、ののを怪我させたの?」

美羅の口元が上がっている。 性格ワリィな。

「別に、お金払ったからいいじゃ……」
「お金があれば、許されると思っているの? …………ずいぶん幸せな思考を持っているんだね、君」

 はぁ。 今のうちにカウンセラー呼んどくか。

「~~~~~あなた!! パパに言ってこの町にいられないようにしてやる!!」
「やれるものなら、どうぞ? パパにって、自分では何もできないの?」

その言葉に怒りが頂点に達したらしい立花は、持っていたのかナイフを振り上げる。
 危ないなぁ。 物騒なもん持ってくんなよ。公共の場に。

「や、やめなさい!!」

キンッ

校長の声と、金属音が教室に響いた。