「本当にありがとうございました!」
「いいえ、でも気付いてよかったね。」
つい2週間前までは最下級生だったのに、後輩とふれあった瞬間に先輩の自覚が出来るのだから面白い。
ひばりは、いつになく穏やかな笑顔で瑞貴を見送っていた。
「先輩、図書委員っすよね?名前聞いてもいいですか?」
「私の?千歳ひばりって言います。よかったらまた図書室に来てね。」
その言葉に、瑞貴は頷く。
ニッと笑うと見える八重歯が、元気な少年の象徴のようで微笑ましい。
「俺、図書委員立候補しますね!ひばり先輩、また明日!」
愛嬌のある犬のような笑顔を残して瑞貴は去っていった。
本当、犬みたいな子。
目を瞬かせてから、ひばりは自分の認識に思わず小さくふきだした。
「後輩、ってかわいいもんだなぁ…。と、いけない!」
思っていたより時間は流れていたようだ。
壁に掛けられた時計は、閉館の15分前を指していた。
帰り仕度と戸じまりしなきゃ!
ひばりは慌ててカウンターへと戻った。
本日、来館者2名。(内、利用者1名)
図書室が賑わうまでは、まだまだだ。
ひばりの小さなため息が無人の図書室内に微かに響いた。
「いいえ、でも気付いてよかったね。」
つい2週間前までは最下級生だったのに、後輩とふれあった瞬間に先輩の自覚が出来るのだから面白い。
ひばりは、いつになく穏やかな笑顔で瑞貴を見送っていた。
「先輩、図書委員っすよね?名前聞いてもいいですか?」
「私の?千歳ひばりって言います。よかったらまた図書室に来てね。」
その言葉に、瑞貴は頷く。
ニッと笑うと見える八重歯が、元気な少年の象徴のようで微笑ましい。
「俺、図書委員立候補しますね!ひばり先輩、また明日!」
愛嬌のある犬のような笑顔を残して瑞貴は去っていった。
本当、犬みたいな子。
目を瞬かせてから、ひばりは自分の認識に思わず小さくふきだした。
「後輩、ってかわいいもんだなぁ…。と、いけない!」
思っていたより時間は流れていたようだ。
壁に掛けられた時計は、閉館の15分前を指していた。
帰り仕度と戸じまりしなきゃ!
ひばりは慌ててカウンターへと戻った。
本日、来館者2名。(内、利用者1名)
図書室が賑わうまでは、まだまだだ。
ひばりの小さなため息が無人の図書室内に微かに響いた。

