仕事帰り、女性に人気だというスイーツ店に寄り店長のオススメナンバー1だと言うクッキーシュークリームを買って帰る事にした。




なんとか口実を作ろうと意気込んで買ったはいいが受け取ってくれるだろうか。





「譲さんっ。」





エレベーターを降りると名前を呼ばれ顔を上げると蜜姫さんが俺の部屋の前に立っていた。





慌てて駆け寄ると、この前とはうってかわり目も合わせてくれるし、なにより笑顔を向けてくれる。





「蜜姫さん?なんで……。」


「嫌な思いさせちゃってごめんなさい。」





体を曲げ、頭を下げる蜜姫さんを見てなにが何やらわからなくなる。





謝るのは俺の方だというのになんで蜜姫さんが謝るんだ?





「私、恥ずかしい勘違いしてました。付き合ってもないのに勝手に怒ってしまいました。隣人…というか友達なのに彼女面してしまって……本当にごめんなさい。」