「いい匂い…」 あたしは思わずその人の腕を掴み、クンクンと匂いを嗅いでいた。 「ぶっ…君見かけによらずおもしろい子だね♪」 ニッコリ笑ったその人を見た瞬間…あたしは恋に落ちた。 甘いバニラの香りのするこの人が欲しい… バラバラに散らばった抜き型を広い集めてくれた彼は、あたしに手を差し出す。 その手を掴み立ち上がった。 抜き型の入った袋をあたしに手渡すと「本当にごめん」と両手を合わせて謝った。