桜の葉

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++++ 葉



頭がモァモァする。
多分…痛み止めのせいだろう。


気付いたら、オレはベッドの上で…
薄く目を開けると、朔良ねぇちゃんが……




泣いていた。







ねぇちゃんが最後に泣いたのは……兄ちゃんが死んだ時。

それっきり、オレは、ねぇちゃんが泣いたのを見たコトがなかった。


『葉、ごめんね』

って…ねぇちゃんが泣いている…。

何でねぇちゃんが謝ってんのか、わっかんないよっ!!



そう言って起き上がりたかったのに。
オレは、タイミングを逃してしまった。


倉石って奴が……
ねぇちゃんを抱きしめたから。




+++



『葉。オマエのねぇちゃんがヤバイかも。』


亮介からそんなメールが来た時、オレは、ちょうど胸騒ぎを感じていた時で。

兄ちゃんと母さんが…事故に遭った時も、こんな感じがしていたコトを、オレは思い出す。


ねぇちゃんと良く来る海に来ていたオレは、場所を確認するのも忘れて……駆け出していた。




朔良ねぇちゃんが居る場所は、何でか知らないけど、すぐに解るんだ。


ずっと、朔良ねぇちゃんと一緒だったから。






ねぇちゃんが好きな場所も、嫌いな場所も。

ねぇちゃんが落ち込んだ時に行く場所も、嬉しい時に行く場所も。



オレには解るから。




だから、迷わなかった。




オレが海に居るってコトは、きっと朔良ねぇちゃんも、





居る。