王宮の書斎―――
この部屋の主はいつもより多くの書類が積み上げられているにも関わらず、ご機嫌に仕事をこなしていた。
しかし、その姿を見かねた主の側近から盛大な溜息が漏れる。
「ラルフ、その緩みきった顔はどうにかならないのか?」
呆れた表情を浮かべながら呟いたのは、側近のロイド。
「それが、主に対する口のきき方か?」
幼いころから、自分付きの側近になったロイドは、自分に対して遠慮のない物言いをする。
少々口のきき方は悪いものの、心を許せる数少ない友人だった。
「主なら主らしくして欲しいねぇ。」
遠慮のない嫌そうな表情を作り、こちらを見る。
ロイドの言いたいことは大体分かるが、素知らぬ顔をして聞いてみる。
「どこが、主らしくないんだ?」
書類から目を離さず、問うと、ソファーに座っていたロイドが勢いよく立ち上がる。
地雷を踏んだかもしれない…
そう思ったが、すでに遅し。

