偽りの結婚(番外編)




「貴方の…相手を……。」

泣きそうなほどに瞳を潤ませ、真っ赤な顔でそう伝えると、息が止まりそうなほど強い腕に抱きしめられる。



「ホント……君は可愛いよ、シェイリーン。」

何かに耐えるように、言葉を絞り出したかと思えば、再びベッドに押し倒される。

今度こそ、抵抗なく押し倒されたシェイリーンはラルフを見上げる。



しかし、このまま流されてしまってはダメだ。

ラルフに少しでも睡眠をとってもらうには、伝えておかねばならない事が一つ。


「1回だけですからね?」

「ふーん、1回…ね。分かったよ。」

先程よりも、顔を真っ赤に染め上げながら伝えれば、ラルフから何か含みのある返事が返ってくる。

分かったと言っているものの、信用できないのは気のせいだろうか。


「本当に分かって…んッ…!」


“本当に分かってるの?”


そう問おうとした言葉は、ラルフの唇によって掻き消えた。




そして、暫くシェイリーンの唇を堪能したラルフが、チュッというリップ音と共に唇を離し―――

「もう、黙って。」

その言葉を皮切りに、濃密な空気が寝室を支配する。

こうして、二人の夜は更けていったのだった。