偽りの結婚(番外編)




そもそも、少しでも多く睡眠を取ってもらいたいのに、ラルフが言う“相手”をしていては、元も子もない。

こうなってしまえば、行為になだれ込まれてしまうのがいつものパターン。



しかし、今日は違った。



「そうか。」

ラルフが、そう一言呟いて、両手が解放される。

そして、ニッコリと笑い、口を開く。



「なら、もう少し仕事をすることにするよ。」

なんて、意地悪なんだろうか。

いつも、ラルフは強引に求められる事はせず、私の逃げ道を失くしていく。




「……ッ。…分かりました。が、頑張りますから。」

ガバッと体を起こし、サイドボードの書類を取りかけたラルフの手を取る。

俯き加減で呟いた言葉は、消え入りそうなほど小さかった。



「何を、頑張るのかな?」

顎をクイッと上に向かせて、ラルフは意地悪に問う。