もう、ジリッと焼き切れた理性を繋ぎ止めるものなどなかった。
ガタンッ――――
「きゃ・・・ッ!」
ラルフは、狭い馬車の中、シェイリーンを組み敷く。
僅かに残った理性で、挫いた足を気遣いながら・・・
「ラルフ・・・?」
自分が今どういう状況なのか分かっていない様子のシェイリーンが見上げてくる。
エメラルドグリーンの瞳はいつ見ても綺麗だが、組み敷いた時に見せる、不安気で、けれど少しの期待を込めた瞳は一層綺麗だ。
そっと、後頭部に手を差し込み、プラチナブロンドの髪ごと固定すれば、ビクッと震えるシェイリーンの体。
「ラ、ラルフ、ちょっと待っ・・んっ・・・!」
シェイリーンの言葉は、言い終わらないうちに途切れた。
ラルフの唇によって。
シェイリーンには申し訳ないが、もう一秒だって待てない。
これだけ煽られ、我慢できる男などいるわけない。
この愛しい人は、自分の方を向いてもらいたいが為に、あのドレスを着たいと言ったのだ。
他の女性に目移りしてもらいたくなくて。

