偽りの結婚(番外編)




軽やかにステップを踏み、華麗にターンをする。

その度に揺れる、シェイリーンのドレスさえ踊っているようで、しばし周りの人々は見惚れ、感嘆の溜息が漏れた。



やはり、シェイリーンのダンスが下手なのではない。

ラルフは、踊りながら思う。

ステップも正確で、少しのリードだけで、シェイリーンは自分についてくる。

何より、踊るシェイリーンの姿がとても優雅だった。



これでまた、ライバルが増えそうだ・・・



ラルフは、そう思いながらも、シェイリーンとのダンスを楽しんだのだった。





そして、シェイリーンは、最後まで、この難しい曲を踊りきった。


すると――――

音楽が止み、シーンと静まり返るホールに、パンッと手を合わせる音がホールに響く。

その音を皮切りにして、たくさんの人々の拍手と歓声でホールが沸いた。



シェイリーンは、一瞬驚いたような表情をしたが、みるみるうちに瞳が潤んでいく。



認められた事が、嬉しいんだろう。