偽りの結婚(番外編)





ホールに流れ始めた曲は、先程よりも難易度の高いダンスだった。



ふと、周りを見渡すと、ソフィアがこちらに向かって、ウィンクをしている。



この曲で見返せ、ということか・・・



受けて立とうじゃないか。

ラルフは、自信あり気な笑みをソフィアに返した。


しかし、一方のシェイリーンは、音楽を耳にした時からガチガチに体が固まっていた。

震える手から、緊張が伝わってくるようだ。



「シェイリーン、大丈夫だ。」

俯くシェイリーンの顎をクイッと上に向かせ、視線を合わせる。


「僕がついてる。」

そう言うと、シェイリーンは頬を赤らめ、コクンと一つ頷く。






そして、ダンスは始まった―――

踊っているのはシェイリーンとラルフのみ。

ホールにいた人々は皆二人に注目していた。