偽りの結婚(番外編)




“貴公の挑発に乗る気はない”



そう、答えようとした時――――

「私・・・踊ります。」

それは、シェイリーンの言葉によって遮られた。

小さく、しかし、確固たる意志を滲ませた声で。



「シェイリーン、無理をするな。君は足を・・「大丈夫。」

あの時、結構な勢いで足を捻っていたから、辛いはず。

しかし、シェイリーンは、ただ一言“大丈夫”と言う。



「お願い。私、踊りたいの・・・ラルフと。」

「っ・・・!」

切なそうに歪められたエメラルドグリーンの瞳を見せられては、何も言えないラルフ。

しかも、他でもない、“自分と”踊りたいと言っているのだ。

嬉しくないはずがない。



それに、こうなったらシェイリーンは梃子でも譲らないだろう。

「大丈夫なのか?」

心配そうに聞くと、シェイリーンはパァッと明るい笑顔を見せ、「はい!」と、元気よく答える。