偽りの結婚(番外編)




ラルフは、シェイリーンをギュッと力を込めて抱きよせながら答える。



「シェイリーンは、十分ダンスが上手い。」

振り向いたシェイリーンに向かって、ニッコリと笑顔で。




「貴公に披露したいくらいだが。どうやらシェイリーンが足を挫いているようなので、これで失礼する。」

その言葉に、シェイリーンがハッと瞳を見開けば・・・

エメラルドグリーンの綺麗な瞳が、“なぜ分かったの?”とでも言いたげに揺れる。



「そんなこと言って、本当は踊れないんじゃないですか?先程も、何回足を踏まれそうになった事やら。」

男の言葉に、シェイリーンは顔を赤くして俯く。

流石のラルフも、この言葉には我慢がならない。

何しろ、男の下手なリードのせいで、シェイリーンが責められているのだから。

足を踏まれそうになったのは、自業自得だろう・・・と言い返したいのは山々だが、男の安い挑発に乗るわけにはいかない。




それよりも、今はシェイリーンの足の方が気にかかる。