偽りの結婚(番外編)




「君は、名家の生まれか?」

ラルフは、シェイリーンを腕の中に閉じ込めたまま、男に向けて問う。



「えぇ、もちろん。モルト王国では、オリビエ公爵の名を知らない者はいませんよ。」

男は自慢げにそう言う。


公爵家か・・・

繋がりを持っておくのも良いかもしれない。




・・・だが

「では、オリビエ公。貴公は、もう少し女性の扱い方を習った方が良い。あれでは、女性がダンスを楽しめない。」

ふっと、完璧な笑顔でそう言うと、男は口をひくつかせ、顔が引きつる。

プライドの高い公爵家の子息の自尊心を傷つけてしまったようだ。

しかし、男は人前だと言うことを認識していたのか、感情を抑えたような声で喋り出す。



「お言葉ですが、ラルフ王子。奥様は、ダンスがお得意でないようで、私のリードと言うよりは、奥様のご指導をなさった方がよろしいのでは?」

男がそう言うと、腕の中のシェイリーンがビクッと震えた。



はぁ・・・これだからプライドだけ高い貴族は・・・