すると、父様は一瞬目を見張った後にフッと笑い…
「君にしては上出来だ」
そう言ってほほ笑みながら母様の頭に口づけを落とした。
何処までも上から目線なその言葉も、母様が喜んでいては何も言えない。
本当につくづく母様のことが好きな人だ。
けど僕は気づいたよ。
父様が母様の答えを聞くまでどんな顔してたか。
噂を信じていたら悲しいもんね…
けど、母様が父様のことを信じているや否やこれだ。
「さて、ワイズ伯爵。妻はこういっているが?」
余裕たっぷりの笑みを浮かべて伯爵を追い込む。
母様が自分を信じてくれたことが嬉しくてたまらない様子。
少なくとも僕にはそう見えた。
「さしずめ噂話でシェイリーンを揺さぶり、あわよくば取り入ろうと思っていたんだろ」
図星だったのか男が何も言わずに俯く。
そっか、この人は地位や権力じゃなく母様が欲しかったんだ。
まぁ…見事に失敗してるけど。
母様も父様以外考えられないもんね。
だから父様がつけあがるんだ。

