偽りの結婚(番外編)




「良かったね、起きなくて」


爆弾発言を投下した当の本人は面白そうにそんなことを言う。





「いつになっても真っ赤になるところは変わらないな。まぁ…そこが可愛いところでもあるが」


次から次へと甘い台詞を吐くラルフに、私の心臓ははち切れそうなほどバクバクと高鳴る。




「ほら、早く寝ないと夜もたないよ?」


そんな私の反応を愉しみつつラルフが笑う。

外が暗くなってきたからか、それはとても妖艶で。

不覚にもゾクッと体に震えが走った。




「今日は寝かせないから覚悟して」

「もうッ!知らない!」


耳元で甘く響いた低音に、そんな可愛くない返答をしながら顔を逸らし、ラルフに身体を預ける。




「そうそう、最初から素直に眠ればいいんだよ」


そう言って私の頭をポンポンと撫でる。

その言葉に胸が熱くなる。

きっと私がまだ眠かったことなんてラルフにはお見通しで。

けどなかなか眠らない私を心配してくれてのことだったんだ…




「お休みシェイリーン。良い夢を」


耳に心地よいテノールが眠りを誘う。



そして私はいつの間にか意識を手放していた――――