偽りの結婚(番外編)





自分の不甲斐無さに、目頭が熱くなる。



「もう一曲、どうですか?」

男は、ニヤリと意地悪な笑みを浮かべ、シェイリーンに手を差し出す。



なぜ・・・?

今ので、ダンスが苦手だとわかってくれたんじゃないの?




「あの・・・私、ご遠慮させていただきますわ。貴方と踊りたいと言うご婦人方もいっらっしゃいますでしょうし。」

シェイリーンは、やんわりと、男の申し出を断る。

男のプライドと自尊心を傷つけぬよう、そっと。

そして、胸の前にグッと手を引く。


もう、踊りたくはないという意味を込めて・・・



しかし、シェイリーンの願いも虚しく、男は口を開く。

「俺は、もう一度、シェイリーン様と踊りたいんです。」

そう言って、胸の前でギュッと握りしめていたシェイリーンの手を取ろうとする。