レナは朝からはしゃいでいたし。
レオもラルフに馬に乗せてもらった時はいつになく喜んでいた。
大抵はレナの言うことを聞いてあげるレオだけど、馬に乗っていた時は交代したくなかったみたいだし。
クスッ…とその光景を思い出して笑う。
「どうしたんだ?」
ひとり思い出し笑いをした私にラルフが可笑しそうに問う。
「やっぱり子供には父親が必要なんだなと思って」
「そうか?レナはともかく、レオは僕じゃなく君に懐いていると思うけど」
そう言って愛おしそうに双子の頭を撫でるラルフ。
「ううん、私じゃレオのお願いを叶えてあげられなかったもの。ありがとうラルフ」
「お礼を言うのは僕の方だ。いつもレナとレオを君にばかり任せてすまないと思うよ。こういう時にしか甘やかせてあげられないのは心苦しい」
ラルフは眉尻を下げて力なく笑う。
そんなことないのに……
ラルフはこの国の王子で、公務は王子の義務だから。
それは妃である私も一緒だけど、ラルフは私の公務を極力減らして子供たちとの時間を作ってくれている。
だからラルフが謝る必要なんてないの。
「シェイリーン、こっちへおいで」
ラルフが双子が寝ている反対側の椅子をポンポン…と叩く。
「………?」
いきなりどうしたのだろうか…と思いながらも席を立つ。
揺れる馬車の中をふらつきながらラルフの隣に座れば、腰に手を回して引き寄せられた。

