シェイ…ーン……―――
優しく私を呼ぶ声がする。
甘くて低く響く声が心地良い。
シェ…リーン……―――
身体は睡眠を欲していてまだ眠っていたいけど…
今日はこの声をたくさん聴いていたいから。
「シェイリーン」
「ん…ぅ……らるふ…」
目を開けた先に映る愛おしい人。
ふぁ…と小さな欠伸をしながら馬車の椅子に横たわっていた体を起こす。
窓の外に目をやれば、もう日は沈みかけていた。
「起きた?」
向かいに座るラルフがクスッと笑いながらそう言うのに、少し頬を赤らめてコクンと頷く。
ラルフの傍らにはすーすーと寝息を立てて気持ちよさそうに眠っている双子。
「レナとレオはまだ眠っているのね」
「あぁ、よほど疲れたみたいだな」
レナとレオが疲れ果てて眠るのも無理ない。
今日は王宮を出てからノルマン家へ行くまではしゃぎっきりだったから。

