偽りの結婚(番外編)




コク…コク……


コップ一杯に入っていた水をゆっくり飲み干す。

喉が潤っていく感覚が気持ちいい。

それほど喉がカラカラだった。




「体の方は大丈夫ですか?歩けます?」


久しぶりに帰ってきたラルフと過ごす次の日、私がどうなるかを知っているモニカはそんなことを聞く。




「大丈夫…だと思う」


いつもは夜だけ焦れに焦らされるその行為に耐えれば済んだが、今日は流されて朝も…

当然体にかかる負担も倍増なはず。

朝陽が照らす明るい部屋での行為を思い出し、ボンッと顔が赤くなる。



だいたい何でラルフはあんなに体力があるの?

私よりずっと疲れているはずなのに。

いつだって余裕の笑みを浮かべて、自分が主導権を握って、私が乱れるところを愉しんでいる。




けど……ラルフが余裕をなくす瞬間が一つだけあった。



熱に浮かされて全てを持って行かれそうになる時。

白濁する意識の中、広い背中に手を回して。

ラルフの名を呼びながらしがみついて口づけをねだると、それまで余裕だったラルフの表情が崩れるの。


そこからは毎回記憶が曖昧で。

その瞬間しか余裕を無くしたラルフの顔が見れない。

でも、その瞬間がたまらなく好きだった。