偽りの結婚(番外編)




シェイ…ーン…ま…―――


薄らいだ意識の中、誰かの声が頭に木霊する。

身体が重くて瞼も開けない。





シェ…リーン…様…―――


けれど、私を呼ぶ声は止まない。

ここはきっとまだ夢の中。

起きなきゃ…今日はラルフが一日いる貴重な日なんだから。

子供たちも楽しみにしてるし…




「シェイリーン様」

「んっ……」


私を呼ぶ声に導かれるように小さな声を上げて覚醒する。

パチパチと何度か目を瞬かせ、私を呼んでいた人物が目に入った。





「モニカ…おはよ…」

「まぁ、ヒドイ声ですこと。またラルフ様に苛められたんですね」


苦笑しながら私の掠れた声の原因を見事に言い当てるモニカ。

それがとても恥ずかしくて水の入ったコップを黙って受け取る。