偽りの結婚(番外編)



「夜のパーティーまでにしたいことは決まったかい?」

「あ!」



思い出したように声を上げる。

そう言えば、父様に決めておいてって言われてたんだった。

すっかり忘れていた。

レオの方を向けば、「僕何度も教えようとしたよ」と言う。



うっ…覚えがあるような……

レオがレナの名前を呼んでたのは教えてくれようとしてたんだ。



レナはいつもこう…

良く考えて動くレオと違ってレナは考えるより先に動いちゃう。

父様と母様にしたいこと決めててねって言われてたのに。

情けなくてしゅん…と眉を寄せれば、レオが焦ったように口を開く。



「レナ、ごめんね。僕がもっと声をかければよかったんだ」


優しい兄は自分は悪くないのに謝る。

それがとても申し訳なくて、もっと情けなくなった。

そんなレナたちのやり取りを見ていた父様がフッ…とほほ笑む。





「そんなに焦らなくても夜のパーティーまでにはまだ時間がある。着替えてすぐ来たところを見ると朝食はまだだろう?」


優しい笑顔とともに問われたその言葉にコクコクと頷く。