偽りの結婚(番外編)




そうだよね…まだ朝の8時だもん。

たくさん時間はあるよね。

そう思って廊下を走るのをやめた。




すると―――――

廊下の角を曲がろうとした時、父様が歩いてきた。

腕には何故かまた眠っている母様が抱っこされている。




「父様!」

「あぁ、レナ、レオ着替え終わったんだね」


母様を片腕で抱っこしたまま、駆け寄ったレナの頭を撫でてくれる父様。

柔らかい笑顔に、ニコニコと笑う。




レナは父様に頭を撫でてもらうのが大好き。

大きくて暖かくて、母様とは違うあったかさがあるの。

双子だから分かるけど、レオもきっと嬉しいはず。

だってほら、ちょっと照れくさそうだもん。




「父様、母様どうしたの?」


ほんのり頬を赤く染めたレオが父様にそう聞く。

そういえば…母様何でまた眠ってるんだろう。

しかも何だか顔が赤くて苦しそう。

赤い点々も直ってないみたいだし…





「薬効かなかったの?母様大丈夫?」

「薬?あぁ…塗ったよ。念入りにね。大丈夫、すぐに目を覚ますよ」


父様がそう言うならそうなんだ。

そう思ってほっとしていると、父様が「そう言えば…」と続ける。