しかし――――――
シェイリーンは最愛の妻である前に、最愛の女性だ。
色香を含んだ吐息も。
引き寄せられる艶やかな唇も。
全て魅了してやまない彼女に“子供”などと誰が言えようか。
柔らかな唇を満足いくまで貪った後、ゆっくりと唇を離す。
「は…ぁ……も…朝からこんな…」
ぐったりとして後ろに倒れてしまいそうなシェイリーンの背を支えながらフッとほほ笑む。
「誰かさんが素直になっていればこんなことにはならなかっただろうな。」
そんなこと保証は出来ないが…その誰かさんはうっ…と言ってそっぽを向く。
そして、観念したのかもごもごと口を開く。
「幼いレナとレオに遠出はさせられないから…そんなこと言えないじゃない」
「そんなこととは?」
ニッコリと口元に笑みをかたどって問えば、シェイリーンは一層顔を真っ赤にさせ俯きながらぽつりと呟く。
「貴方がいないから寂しいってこと」
言い終えた後に限界が来たようで、持っていた布団で顔まで覆うシェイリーン。
その言葉と行動が愛おしく、目の前の愛おしい妻を抱きしめた。
「寂しい思いをさせてすまなかった。今日は一日、君とレナとレオと過ごすよ。夜のパーティーは申し訳ないけどね。」
今日の夜はもともとパーティーの予定が入っていた。
こればっかりは欠席するわけにはいかない。

