ラルフと踊っているのは、恐らく、モルト王国のお偉い方の奥様だろう。
時には、娘と踊ってくれ、と言う人もいて、ラルフは渋々踊っているが、これも付き合いのうち。
今は、一国の王子と妃であるラルフと私は、人脈を広げる事が求められているから・・・
だから・・・大丈夫。
動揺なんてしない。
ラルフも、王子としての務めを果たしているのなら、私も立派にこなさなければ。
私は曲がりなりにも王子の妃だから。
このような公式の場で、ダンスを断っては角が立つ。
それに、遠まわしに言っても、理解してくれるはずもないことは分かっていた。
「分かりました。」
シェイリーンは、素直に男の手に引かれて、ホールの中央で男と向き合う。
そして、音楽に合わせて踊り始めた。

