偽りの結婚(番外編)



「ラルフ様には使いを出しています。」

「ラルフに……?」



私の問いに「はい」と笑顔で頷くモニカ。

ラルフが帰ってくる…

それを聞いて少し不安が和らいだ気がした。





しかし―――――


「ッ……あッ……はッ!」


陣痛の間隔が短い。

もう、赤ちゃんが出てくるのが近いということだ。




ラルフ……早く帰ってきて……

涙をにじませながら痛みに歯を食いしばる。





「シェイリーン様、空気を吸ってください!」

「っく…ハッ……そんな…っ…息っ…できなッ…」


呼吸をするのもままならず、普段自然とできていることが難しい。

吸って、吐くだけなのに、力を入れてばかりで吸うということを忘れてしまう。

否、少しでも気が緩めばその痛みを真正面から受け止めてしまうから…




「ダメです!空気を吸って、赤ちゃんに酸素を送らなきゃいけません。」



赤ちゃんに…酸素……

痛みで意識は朦朧としていたけど、“赤ちゃん”という言葉にピクリと反応する。