分かっているけれど、私のために行かないと言っているのだ。
ラルフが私を優先してくれたのは嬉しい。
私はその気持ちだけで十分だから…
「私のことを心配してくれているなら大丈夫。みんなもいるし、まだ8か月なんだから。」
うんうん…と首を縦に振るロイド。
「ラルフ。」
「分かった。行ってくる。」
ね?とほほ笑みながら首をかしげると、しぶしぶ承諾したラルフ。
「ただし、各国の王族が集まるパーティーだけだ。」
「はい」
ラルフなりに譲歩したらしい答えに、笑顔で返事をすれば、ようやくラルフの顔に笑みが浮かぶ。
椅子から立ち上がり、目の前で止まる。
そして、私の手を取りながらほほ笑む。
「なるべく早く帰ってくるよ。」
こうしてラルフはモルト王国へ出発した。

